こんにちは、いぶきです。 当ブログ 【好奇心のホコサキ】に足を運んでくださり、ありがとうございます。
今回は、令和元年5月22日 に金融庁が公開した、金融審議会市場ワーキング・グループ 「高齢社会における資産形成・管理」 報告書(案)の内容が、「えっ、まじかよ!」って感じの酷いものだったので、どんな内容かまとめてみました。
特に、40歳より下の世代は、この内容はある程度知っておかないとやばいかなと思います。長文になりますが、最後までご覧いただけるとうれしいです。
【人生100年時代の蓄え】の指針内容ざっくりとまとめ
「長寿化」が進むこの日本。
2015年推計で、60歳の人が95歳まで生きる確率が25.3%に達し、100歳まで生きるというのが、珍しいことではなくなりつつある。
バブル崩壊以降、「失われた 20 年」とも呼ばれる景気停滞のなか、賃金の伸び悩みにより、国民全体の収入は全体的に低下傾向にある。
さらに、少子高齢化も進んでいるため、税・保険料の負担は年々増加し、公的年金の水準は低下が見込まれる。
60代以上の支出と収入に着目すると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実収入209,198円に対して、実支出263,718円であり、月5万円近くの不足が発生している。(現時点で)
足りない分については、金融資産の取り崩しが必要であるが、現在NISA や iDeCo 等のシステムが整備されているので、うまく活用して貯蓄を進めてほしい。
金融庁(国)が国民に言いたいこと
年金だけの収入だと、2人世帯で月5万円ずつ不足するから、投資なりして蓄えておいてね。ってことです。
よく読んでみるとわかるんですけど、現在の60歳以上が月5万円不足しているので、今20代・30代の人が、老後のときに必要となるお金は、月10万くらい、いやもっと不足しているのではないかと思います。
公的年金の水準は低下していく、と今回の資料でも述べられているので。
ちょっと試算してみましょう。
70歳まで働かせる法案が可決されているので、定年70歳の段階でいくらためておかなきゃいけないのでしょうか。
不足が月10万とするならば、
月10万円×12ヶ月×30年(100歳ー70歳)=3600万円です。。。
多少ゆとりを持たせると、4000万、70歳のときに用意しておかなくてはいけません。
月5万不足だとしても2000万。
これは現時点での65歳が保有している資産と同額くらいです。
今の65歳が働いていた期間よりも、今の若者が働かなくてはいけない期間の方が、景気の悪化はほぼ間違いないにも関わらず、それ以上の金をためろと言っているんです。
おかしくないですかね?

金融庁に突っ込みたいこと
年金制度の崩壊だよね?
現時点でも年金だけでは食ってけず、貯蓄の取り崩しが必要となっています。
とは言っても、貯蓄を取り崩せるからこそ、支出がその分増えるというのも理解できるので、平均支出の内訳をみるに、月5万くらいは削減できるはずなので、今の年金額が支出とほぼトントンなのだろうなと思います。
この年金額を維持できないのであれば、それはもはや、老後の生活を担保できないということであり、年金の崩壊を意味するのではないでしょうか?
崩壊し始めたのであれば、後戻りできなくなる前に、この制度すべてをリセットして、終わりにしてしまえばいいのではと思います。
投資リスクの軽視
金融庁の資料をみるに、足りない分については、NISA・個人型確定拠出年金(iDeCo)などの投資をして増やしてね。
という流れにもっていってるのですが、そもそも投資ってそんな簡単なもんじゃないかと思うんですよ。
長期・積立・分散投資による効果は、積立が長期であればあるほど、投資先を 分散すればするほど、収益がバラつきにくくなる特徴がある。 1985 年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券に積立・分散投資したと 仮定し、各年の買い付け後、保有期間が経過した時点での時価をもとにして運用結 果を算出すると、保有期間が5年ではマイナスリターンも発生するが、保有期間が 20 年になるとプラスリターンに収斂し、さらにそのバラつきも小さくなる。
金融審議会市場ワーキング・グループ 「高齢社会における資産形成・管理」 報告書(案)
今回の金融庁公表の資料の一節にこのような項目があります。
20年継続して分散投資を実施すれば、プラスリターンになるよということなのですが、時代がよかっただけだと思うのですね。
もし、マイナスリターンとなり、死ぬまでの貯蓄ゲットできませんでした。となったら、死ねってことですかね。
貯蓄を使い果たしたら。。。
今の若者が必要な分の貯蓄をできずに、老後を迎え、貯蓄を使い果たしたら、どうすればいいのでしょう。
生活保護制度を利用すればいいのでしょうか?いや、生活保護すらその制度があり続けるかどうか、わかりません。
お察しの通り、死ぬしかないのでしょう。
年金ってそもそもどういう目的?
年金ってそもそも何のための制度なんでしょう。
国民年金法には下記の通り、目的が定義されています。
第一条 国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によつて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し、もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。
国民年金法
国は、国民が老齢になったときでも、生活が安定できるようなシステム構築をする、それが年金制度であるとされています。
今回、金融庁は、もう年金制度だけでは生活の安定が無理だから、自助によりどうにかしてくれって言いだしているのですが、なんとも、無責任すぎじゃないですかね。
【年金じゃ、老後生活費用足りないわごめん】の影響をもろに受けるのは若者です。
現在年金を受け取っている高齢者は、逃げ切ったといっても過言ではありません。払い込み額と同額くらいの返還が見込まれていますからね。

高齢社会をどう生き抜いていくか
と、ここまで愚痴らせせていただきましたが、愚痴ったところで、世の中きっと何も変わりません。
70歳のときに4000万円貯めなきゃいけないという事実を受け入れ、本気で貯蓄に取り組まなきゃいけないのでしょう。
30歳であれば、残り40年、つまり月8.33万円貯蓄すれば。。。
無理だわ!!!www
真面目に話すと、
- 資本を増やす
- 資産運用
の2点を頑張るしかないかなと思います。
資本を増やす
資産を運用しようにも、そもそものお金が少なければ、意味がありません。
年利3%で運用できるにしても、10万しか元でがなければ、年3000円。
1000万あれば、年30万円ですよね。
年3000円しか得られないことに、時間を割くのは馬鹿らしいですからね。資本は大事なんです。
【コツコツと貯金する】につきるのですが、収入を増やす手立てとして、【副業をする】【共働きする】【(年収増加が見込めるなら)転職する】などがあるのではないでしょうか。
逆に、支出を減らす手立てとして、【日々の節約】【固定費の見直し】【車・家を買わない】【家賃低い家にする】などなど、毎日節約に取り組むしかありません。
これはあんまり言いたくないですが、【子供作らない】というのも、自分の老後だけを考えれば、有効な手段ですよね。私は頑張って作りますが。
資産運用
そして、やはり増やすのには資産運用は避けては通れないかと思います。
長くなりそうなので、また機会があればまとめていきたいですが、20代・30代から投資に触り始めるというのは大事かなと思います。
少額から投資しはじめて、自分で理解しながら進めるのが大事です。
何も理解していないで、退職金が入って、それから資産運用だー!とかいって、全額FXとかに突っ込む人ってのが、ウソかホントか時々掲示板で見かけますが、自殺行為ですからね。
まとめ
めちゃくちゃ長くなってしまいました。すいません。
国の年金制度が崩壊するのは、おそらくほとんどの人が思っていたことではないでしょうか。
でも、あまりに国民に老後の生活のリスクを押し付けすぎじゃないかと思います。
国には別のプランの用意が進むのを期待しつつ(あまりしてないけど)、自分自身どうにかできるための対策を早めにとっていきたいものです。