大人の世界にありふれている『社交辞令』
『社交辞令』を額面通りに受け取って変な空気になってしまうことありますよね。
額面通りに受け取る方が悪い、空気読めてない。みたいな風潮ありますが、個人的には、分かりづらい社交辞令なんて使うなよ!!!って思ってます。受け取り手が悪いというより、言う方が悪いだろ!と。
とはいっても、そうも言ってられないので、社交辞令なのか、本音なのか分からなくなってしまったとき、この記事を読んでほしいです。解決のヒントとなれるようであれば嬉しいです。
社交辞令の基本と理解
まず、『社交辞令』とは何なのか、簡単に整理しておきたいと思います。
社交辞令とは?その意味は?
社交辞令とは、文字通りには相手に対して社交的な気遣いを表す言葉ですが、実際にはより幅広い意味を持ちます。これは、日本独特の文化的概念であり、相手を不快にさせないため、ないし自分自身が嫌われたくないための表現方法として用いられています。
社交辞令は、相手に対する敬意を示しつつ、お互いの関係を良好に保つための一種のコミュニケーションツールと言えます。
しかし、社交辞令を理解するには、社会経験や相手の気持ちを深く理解する必要があり、なかなか難しいときがあり、文字通りに受け取ってしまうこと、受け取られてしまうことがあります。そうすると、トラブルの原因にもなってしまったり、そもそもなんで周りくどい言い方してるの?っていう話にも繋がる可能性もあります。
相手への配慮と敬意を示す日本のコミュニケーションの重要な要素ではあるものの、あまりに行き過ぎた分かりづらい表現をすると、揉め事の原因にもなるので、注意が必要です。
社交辞令の一般的なフレーズ
よく使われる『社交辞令フレーズ』を紹介していきます。
というより、この社交辞令フレーズ以外使わないでほしい!本音なのか分からなくなるので。
「いつか機会があったら、ご一緒しましょう」
このフレーズは、再会の具体的な計画(例えば、次の日曜日に会いましょうなど)がない場合、単に現在の会話を穏やかに終わらせるための表現として使われます。
この『いつか』は二度と訪れません。期待しないようにしましょう。『またいつか、ご一緒しましょう』『是非行き たいです』も同様の表現ですね。
「その件につきましては、検討中です」
ビジネスの場面でよく使われるこのフレーズ。
その提案内容の規模にもよりますが、小さいものであれば1週間、大きいものであれば1ヶ月程度が検討期間ですよね。それを超えたにも関わらず、このフレーズを使われ、またいつ頃決めるかのタイムリミットの具体的な提示(例:今月中には決めます!)がない限りは、その検討は永遠に続くと思ってください。
提案や要求を即座には受け入れられないが、相手を失望させたくない時の婉曲な断りとして用いられていると思います。
確かに、一生懸命準備した提案・プレゼンを行った後に、すぐに断られたら。準備の時間返せよ!って思ってしまうので、優しさといえば優しさですね。
「素敵な提案ですね!」
プレゼンをした後にこういう反応が返ってきたとき、『やった!うまくいった!!』なんてガッツポーズはしてはいけません。
相手のアイデアや提案を直接否定することなく、肯定的な雰囲気を保ちつつ、実際にはその提案を採用する意向がない時によく用いられます。もし、ほんとに採用する気があるのであれば、そんな上辺だけの反応ではなく、具体的な質問や確認事項がくるはずです。
できる女のさしすせそ『さ⇒さすが。し⇒知らなかった。す⇒凄い。せ⇒センスいい。そ⇒そうなんだ。』この反応が来たら、基本的には社交辞令と思って差し支えないです。
「ぜひまたお話ししましょう」
初対面の方との別れ際にこういうふうに言われたとしても、『では、来週の月曜日はいかがでしょうか?』なんて、アポ取りは絶対NGです。これも『いつか』と同じく、『また』は基本的には来ません。
もし本当に話を聞きたいのであれば、『具体的に話を聞きたいので、来週都合がつく時間ありますでしょうか?』みたいな聞き方になります。
なぜ社交辞令を使うのか
なぜ社交辞令が使われるのか、その背景と意図を探ります。
先程も少し触れましたが、社交辞令の主な目的は、相手を尊重し、調和を保つこととされています。
まあ、多少は分かります。直接的な否定や拒絶は、相手を不快にさせる可能性が高いので、お茶をにごしつつ、フェードアウトするテクニックは必要だと思います。
例えば、あいまいな返答「また今度」は、直接的な拒否を避けつつ、穏やかに会話を終えられますからね。
拒絶ではなく、初対面の人との会話でも社交辞令は用いられており、「ぜひまたお話ししましょう」といったフレーズが使われることがありますが、これは直ちに深い関係を築く意志を示すものではなく、単に礼儀正しく会話を終えるための方法です。
基本的に日本人は衝突を避ける傾向が強いので、あたりさわりなく、やんわりとコミニケーションをとるテクニックとして、社交辞令という文化が定着しているのだと思います。
しかし、いきすぎた社交辞令表現は、本気で受け取られてしまう可能性もあるので、結果として失望や混乱を招くことにつながると思います。適切に、度が過ぎない形で使いたいです。
ちなみに、社交辞令って英語圏にもあるの?
基本的には英語圏では、特にビジネスにおける社交辞令はないとされています。例えば、日本でよく使われる断り文句「ちょっと考えておきます」という言い回しは適切ではないとされており、海外ではこのような曖昧な答えは誤解を招くことがあり、直接的に「No」と言う勇気を持つことが推奨されています。
一方で、プライベートにおいては、
- “Let’s go out for a drink sometime.”(今度飲みに行きましょう):具体的な日程を決めずに言われることが多い。
- “I can’t wait to see you again.”(また会えるのを楽しみにしています):会話を心地よく終えるために使われる。
- “If something comes up, just let me know anytime.”(もし何かあればいつでも言ってください):相手に対しての好意を示すために使われる。
こんな感じで、社交辞令っぽい言い回しをするときもあるようですが、基本的には額面通り受け取ったとしても、別に問題にはならないとは思います。
つまり、英語圏には社交辞令はないと考えて良いでしょう。
社交辞令がわからない人の特徴と心理
ぶっちゃけ、私は社交辞令がわからない側の人間なのですが、客観的にどんな特徴で心理があるのか、ちょっと考えてみたいと思います。
真面目さが原因で社交辞令が通じない
真面目な性格をしている場合、相手から言われた言葉をそのままの意味として捉える傾向があると思います。
例えば、誰かに「今度、食事に行きましょう」と言われた場合、実際に食事に行く約束として受け取り、具体的な計画を立てようとしてしまう可能性があります。
社会経験の不足
新社会人や社会に出たばかりの若者の場合、社交辞令の意味や使い方に慣れていないことが多いです。単純に場馴れしてないってことですね。
上司や先輩が軽い気持ちで「いつか一緒に食事でも」と言った場合、これを文字通りに受け取り、実際に食事の約束を期待してしまい、いつまでたっても誘われなくて、なんか悪いことしちゃったかなみたいな感じで落ち込んじゃいかねないです。
あと、日常的に褒められる経験が少ない人は、社交辞令として言われた褒め言葉も間に受けやすいと思います。不意に言われるとその言葉を真に受けてしまいがち。
性善説への信頼
難しい表現になってしまったんですが、簡単に言えば、『人は嘘をつかないだろう』っていう考えに期待しすぎているってことです。社交辞令は、言ってしまえば、嘘なんですよ。文字通りの意味と裏の意味が異なるので。
なので、性善説に基づいて他人の言葉を受け止める人は、社交辞令がわからない可能性は高いと言えます。
社交辞令と本音の見分け方や対処法
さて、ここまでなんやかんや言わせてもらいましたが、社交辞令と本音をどうしたら見分けることができるか考えてみたいと思います。
具体的な約束かどうかチェックする
社交辞令と本音を見分ける上での重要なポイントは、相手の言葉に含まれる「具体性」をチェックすることです。
特に、未来の約束や提案に関して、その言葉が本音であるかどうかを判断する際には、相手がどれだけ具体的な計画を提案しているかが鍵となります。
例えば、誰かが「いつか一緒にランチしましょう」と言った場合、これが単なる社交辞令かどうかを見極めるには、その後の行動が重要です。相手が具体的な日程や場所を提案するなら、それは本心からの誘いと捉えることができます。一方で、曖昧な返事のまま時間が過ぎていく場合は、おそらく社交辞令である可能性が高いです。
褒め言葉は基本的に聞き流す
「素晴らしいアイデアですね!」や「とてもおしゃれですね!」といった褒め言葉が交わされた場合、これらは社交上の礼儀として発されることが一般的です。
特に、これらの言葉が特に具体的な続きを伴わない場合、それは単なる気遣いの一環と解釈するのが妥当です。
そのため、褒め言葉を受けた際には、それを過度に真に受けるのではなく、話の流れの一部として受け止め、深読みし過ぎないことが重要です。
もちろん、褒め言葉が具体的な内容や続きの行動を伴っている場合は、その真意をより真剣に受け止めることができます。
本音と建前の見分け方ポイントまとめ
社交辞令の裏に隠された本音と建前を見分けるためには、具体性を伴っているかがポイントとなります。
ただ、社交辞令に対して、具体的に詰めていってしまうと、それは空気を読めてないということになりますので、先方が具体的に言うかどうかを待つしかありません。
一方で、伝える側も、より関係性を深くしたいということであれば、具体的な誘い、具体的な質問、そういったのをしていくよう心がける必要があります。
あまり、社交辞令を多様せず、オブラートに包みつつ、ストレートなコミュニケーションをするように心がけたいものですね。