「涅槃で待つ」を遺言に残した俳優沖雅也とはどんな人?

「おやじ、涅槃(ねはん)で待つ」

こう遺言に残し、31歳の若さで自ら命を断った沖雅也(おき まさや)さん。テレビドラマや映画で活躍を期待され、将来有望な俳優さんでした。

俳優沖雅也さんがどのような方なのか、また遺言に残した「涅槃で待つ」についてどのような意味があるのか、この記事では解説していきたいと思います。

俳優をはじめとする芸能人の方の自殺は、世の中に与えるインパクトも大きく非常にセンシティブですよね。現代においては、遺書が公開されることはあまりないかと思うのですが、沖雅也さんが亡くなられた1983年ごろは、まだそういった規制が今ほどきつくなかったのかもしれませんね。

記事のポイント
  • 俳優沖雅也さんは、大分県出身の日本の俳優
  • 「必殺シリーズ」「太陽にほえろ!」に出演をしていた
  • 「涅槃」とは、仏教用語で、輪廻転生の輪から解放された存在を指す
  • 「涅槃で待つ」には、苦しみから解放されたいという願いが込められていたと推測される
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目次

「涅槃で待つ」を遺言に残した俳優沖雅也とは?

沖雅也(おき まさや)さんは、1952年6月12日~1983年6月28日に生きた日本の俳優です。大分県出身で、本名は日景 城児(ひかげ じょうじ)。身長183cmの高身長。

1968年15歳のときに親から離れ、単身上京するも、名前年齢を偽り生活。バーテンダーをしていた16歳のときに、スカウトされ、デビューを果たす。翌年、エランドール新人賞を受賞するなどしたが、大役を得ることができず、1971年にロマンポルノ映画界に転向するも、主役抜擢された作品の撮影開始直後にオートバイによる事故で怪我をしてしまい降板となる不運な新人時代を過ごす。

松竹移籍後に、テレビドラマの主演、セミレギュラー出演を果たすなどして、注目を浴び始め、「必殺シリーズ」である必殺仕置人に出演を果たす。『必殺仕置屋稼業』にレギュラー出演するなどして、時代劇での活躍が目立ち始める。

その後、1976年9月に『太陽にほえろ!』にレギュラー出演を果たし、爆発的な人気を得ることとなる。その後もドラマや映画にひっぱりだことなり、多忙な毎日を送っていたが、1981年ごろからメンタル不調に陥りはじめ、1983年(昭和58年)6月26日に京王プラザホテルで、飛び降り自殺をしてしまった。

遺書にある「おやじ」というのは、実父親のことではなく、1975年に養子縁組した所属事務所の社長、日景忠男のこととされている。

「涅槃で待つ」とはどんな意味が込められている?

涅槃(ねはん)はあまり聞き慣れない言葉ですよね。サンスクリット語でニルヴァーナとも呼ばれ、ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教における概念の一つであり、輪廻転生の輪から解放された状態のことを指します。

涅槃とは何か?:仏教の最終目標

涅槃(ねはん)とは、仏教において苦しみや迷いから解放された究極の状態を指します。仏教の教えでは、すべての生きとし生けるものは、生まれ変わりの連鎖(輪廻)に縛られ、苦しみを経験し続けています。涅槃に達することで、この無限の輪廻から脱却し、真の自由と解放を得ることができるとされています。

涅槃の意味と起源

涅槃の概念は、紀元前5世紀頃にゴータマ・シッダールタ(後の釈迦)によって説かれました。釈迦は、厳しい苦行と深い瞑想を経て、すべての存在の本質と苦の原因を悟り、最終的に涅槃を体験しました。この悟りにより、彼は「仏陀」となり、その教えを広めることになります。涅槃は仏教の中核的な目標であり、すべての仏教徒が目指すべき究極の状態とされています。

「涅槃で待つ」に込められた意味

そういった仏教感を鑑みると、「涅槃で待つ」という表現には、この世の中のありとあらゆる苦難・煩悩、そういったものをすべて排除したそういう世界に行きたいという願いが込められていると考えます。

つまり、メンタル不調や肝臓炎も患っていて、スケジュールも多忙な毎日を過ごすなかで、ありとあらゆることがめんどくさくなってしまった。その状況が、「涅槃で待つ」という表現に繋がったのではないでしょうか。

まとめ:「涅槃で待つ」を遺言に残した俳優沖雅也とはどんな人?

この記事をまとめると!

俳優沖雅也さんとは
  • 大分県出身の日本の俳優。1983年に亡くなられ、没年31歳。
  • 遺書に『おやじ、涅槃で待つ』と残した。
  • 「必殺シリーズ」「太陽にほえろ!」に出演
「涅槃で待つ」に込められた思い
  • 涅槃とは、仏教用語で輪廻転生を脱却することを指す。
  • 日々の多忙さ、つらさ、しんどさ、そういうすべてから解放されたいという思いから来ていると予想される。

かなり忙しい、濃い毎日を過ごしていたようで、周りの方から、『普通の人の倍のスピードで生きた』という声があがったようですので、疲れてしまったのだと思います。芸能人ともなると、なかなか、自分の生き方をコントロールするのは難しいのかもしれませんね。

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