最近だと、『マルチ商法』というのが悪いイメージ広がっているので、『ネットワークビジネス』とも言われたりしていますが、中身はおんなじです。法律的に言えば、『連鎖販売取引』ですね。
『マルチ商法』の既会員は、カモ。。。言い方悪かったですね、一緒に協力してビジネスを発展させる仲間を常に探しています。
言葉巧みに、マルチ商法に興味をもたせ、会員になってもらうために、かなり躍起になってます。政府もマルチ商法の勧誘に関しては、懸念を示しており、「気をつけて! 身近なところにマルチ商法(政府広報オンライン)」のように注意喚起をしてます。
マルチ商法は、商品を売るだけではなく、会員になってもらわないと、全然儲からないという背景があるからですね。今回の記事では、勧誘の際にどのようなセリフを繰り出してくるのか、分類してみましたので、興味ある方御覧くださいませ!
- マルチ商法は、新たなカモをひっかけようと、言葉巧みに誘い込んでくる
- 自由に稼げる、多額な報酬がある、といった金銭的なメリットで興味を惹いてくる
- 安心・安全なビジネスであると誘い込んでくる
- 今しか会員になれない。といった煽りをしてくる
- マルチ商法のクーリング・オフ制度は20日間
前提として、マルチ商法はなんで言葉巧みなセリフで勧誘したがるのか
結論言ってしまえば、マルチ商法は子会員を増やさない限りまったく儲からないからです。
マルチ商法は、子会員の販売実績・勧誘実績が、その子会員をマルチ商法に囲い込んだ親会員にも実績としてつくようなシステムとなっています。だから、一生懸命、子会員を勧誘し、その子会員がさらに孫会員を獲得できるよう、商品を売れるように、勧誘やら教育やらに躍起になっているという仕組みです。
お察しの通りですが、この仕組みで儲かるのは、そのマルチ商法組織の上のほうの親会員のみであり、末端会員は儲からないで搾取されるだけというのがオチです。
マルチ商法勧誘のセリフをカテゴリ分けすると
マルチ商法の勧誘のときに、勧誘者が話してくるセリフを大まかに種類分けするとこんな感じになりますね。
- アポ取り段階において、興味をもたせるセリフ
- マルチ商法は、安全・安心であると信じさせるセリフ
- マルチ商法をすれば、明るい未来が待っているセリフ
- マルチ商法に加入を後押しするようなセリフ
それぞれのカテゴリごとに、具体的な勧誘文句を紹介していきたいと思います。
アポ取り段階において、興味をもたせるセリフ
- (もっぱら異性から)久しぶりにご飯食べにいこうよ!
- 限定のビジネスチャンスを紹介したい
- 普通じゃ出会えないすごい人紹介したい
- 自宅で簡単に高収入を得る方法を教えるよ
- 成功したいあなたにぴったりのビジネス
- ●●さんは優秀だから、絶対うまくいくと思うんだ!
- 欲しいもの何でも買えるし、行きたいところに行ける人生送れるよ
- リスクなしで始められる副業
- 私たちと一緒に夢を実現しましょう
- (マルチ商法に関する)インターネットに書いてあることは嘘だから信じないで
このように、「成功」「高収入」「リスクなし」といった、興味を引く言葉を繰り出し、もっぱら「マルチ商法」であることは伝えずに、勧誘するケースがほとんどです。そりゃ誰だって、ラクしていっぱい金稼ぎたいですから、そこを握ってこようとするわけですね。
また、基本的にマルチ商法の勧誘スタイルは、アポイントを取る人と、契約を取る人(クローザー)がセットになって動くのが基本になります。このクローザーというのが、いかにも金稼いでますのブランド品や高級車に乗って、実際に儲かってる(高級品はレンタルであるともっぱらの噂)風を装って、マルチ商法への興味を引き付けるという役割になります。
ちなみに、マルチ商法であることを言わずに、マルチ商法の勧誘をした場合、「特定商取引に関する法律(特商法)」に抵触します。
(連鎖販売取引における氏名等の明示)
特定商取引に関する法律 e-gov(法令検索)
第三十三条の二 統括者、勧誘者(統括者がその統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行わせる者をいう。以下同じ。)又は一般連鎖販売業者(統括者又は勧誘者以外の者であつて、連鎖販売業を行う者をいう。以下同じ。)は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者の氏名又は名称(勧誘者又は一般連鎖販売業者にあつては、その連鎖販売業に係る統括者の氏名又は名称を含む。)、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品又は役務の種類を明らかにしなければならない。
マルチ商法は安全・安心であると信じさせるセリフ
- 何千人もの成功者が証明しています
- 完全なサポート体制が整っています
- 初期投資は必要最低限に抑えられています
- リスクフリーでスタートできます
- 法律に基づいた正当なビジネスモデルです
- 万全の返金保証がついています
- 独立した第三者機関によって認証されています
- 長年の実績があります
- 教育プログラムが充実しており、未経験者でも安心です
- 成果に応じた公平な報酬システムです
『マルチ商法』は、ほとんどの人が、『危険・怖い・犯罪』のようなイメージを持っていますので、これをまず払拭するために『安心・安全』であると、そういうふうに感じさせるセリフを使ってきます。マルチ商法のビジネス事態は違法ではないのですが、強引な勧誘や教育名目での監禁まがい行為、洗脳行為、そういったのが問題として取り出されるケースが多いです。
かの大手マルチ商法会社『アムウェイ』ですら、会員に適切な勧誘指導をできないため、行政処分を受けています。
消費者庁は、健康食品及び化粧品等を含む家庭用日用品等を販売している連鎖販売業者である日本アムウェイ合同会社(本店所在地:東京都渋谷区)(以下「日本アムウェイ」といいます。)に対し、令和4年10月13日、特定商取引法第39条第1項の規定に基づき連鎖販売取引の一部等(勧誘(勧誘者に行わせることも含みます。申込受付も同じ。)、申込受付及び契約締結)を、令和4年10月14日から令和5年4月13日までの6か月間、停止するよう命じました。
あわせて、消費者庁は、日本アムウェイに対し、特定商取引法第38条第1項の規定に基づき、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築することなどを指示しました。
連鎖販売業者【日本アムウェイ合同会社】に対する行政処分について
マルチ商法をすれば、明るい未来が待っているセリフ
- 自由なライフスタイルを手に入れるチャンスです
- 権利収入を得て、労働に縛られない稼ぎ方を身につけよう
- 経済的自立への道を歩み始めましょう
- あなたも成功者の仲間入りを果たしましょう
- 人生を変える転機になるでしょう
- 次世代のリーダーとして輝くチャンス
- あなたの努力が直接報酬に繋がります
- 夢を追い求めるすべての人への扉です
『自由』『成功』『権利収入』などなど、夢広がるセリフで誘ってきます。マルチ商法は、確かに成功を収めている人を見れば、自由な時間に仕事をし、報酬もサラリーマンよりかは多くもらえるので、会社に金で時間を買われている多くの人(サラリーマン・パート・アルバイトなどなど)から見れば魅力的にうつるかもしれません。
ですが、それはリスクと裏返しで、会社勤めはビジネスが上手くいこうがいかまいが、時間を費やした分のお金の給料は支給されます。(よほどのブラック企業じゃない限りはね)ですが、マルチ商法をはじめとする個人事業主・事業主の世界は、ビジネスが上手くいかなければ、そこに費やした時間は無駄になります。
そういった、闇の部分までしっかり理解してマルチ商法に参戦するのはいいとは思いますが、その場の雰囲気に飲み込まれて参戦してしまうと、あとで痛い目をみるかなと思います。
マルチ商法に加入を後押しするセリフ
- 待ってるだけじゃ、人生何も変わらない。今すぐアクションを起こそう!
- 平凡を脱却し、非凡な人生を手に入れたいなら、今がそのチャンスだ!
- 他人に流されて生きるか、自分の道を切り開くか、選択はあなた次第です
- 成功者と失敗者の違いは、チャンスを掴む勇気があるかないかだけ。どっちを選ぶ?
- 夢見てるだけじゃ、夢は夢で終わる。実現させたければ行動あるのみ!
- リスクを恐れてたら、何も始まらない。チャレンジしよう。
- 会員が爆発的に増え始めてきてるから、今月限りで新規会員をストップするんだよね。
『今しか会員になれない!』みたいな限定感をだしてみたり、『夢』を人質に取って、それを達成するにはマルチ商法の会員になって取り組むしかない!みたいな、そういう論法で加入を後押ししてきます。持論にはなりますが、急ぎ迫られる契約というのはだいたい碌なことになりません。そもそも良い契約内容であれば、そんな囲い込みをして迫るようなセリフを吐かれなくても、普通に契約したくなりますからね。
そもそも、『自由に』稼げるのは、マルチ商法だけに限らないですからね。マルチ加入or非加入という構図になってると、視野狭窄で間違った判断してしまいがちです。
ちなみに、マルチ商法には二十日間のクーリング・オフ制度がありますので、家に帰ってきてから、やっぱ会員になんてなるんじゃなかったと思ったら、とっとと申し込みの撤回をしましょう。
クーリング・オフ(国民生活センター)
マルチ商法(MLM)勧誘のときのセリフまとめ
この記事をまとめると。
- アポ取り段階において、興味をもたせるセリフ
- 異性の立場を利用して、ご飯やデートにさそう。
- 『すごい人と会えるチャンス』といった、成功者?との面会機会を提供する。
- 『ラクして稼げる』ビジネスのセミナーがあるんだと、興味を煽ってくる。
- そもそもマルチ商法の勧誘であることを告げずに、勧誘するのは特商法違反。
- マルチ商法は、安全・安心であると信じさせるセリフ
- 法律違反ではないことを伝える
- 未経験でも大丈夫。未経験でも成功した人いっぱいいる
- マルチ商法をすれば、明るい未来が待っているセリフ
- 『経済的自立』『成功者』のような、金が沢山あるイメージをもたせる
- 『自由』『海外旅行』といった、時間を気にせず働けるイメージをもたせる
- マルチ商法に加入を後押しするようなセリフ
- 『今月限り』『今すぐ』みたいな限定的な煽り
- 『チャレンジ』『リスクを取ろう』みたいな、マルチ商法加入と非加入のみを対比させる構図
マルチ商法の勧誘時によく聞かれるあるあるセリフについてまとめてみました。マルチ商法そのものを否定することはないですけど、『ラクして』『自由に』『気軽に』稼げるといった光の部分のみを伝えて、カモを見つけてくみたいな勧誘方法はめっちゃ気に食わないですね。